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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  71

子どもの頭痛

 子どもが頭を痛がることはよくあります。その原因は多種多様で、ほとんどは良性ですが、まれに頭蓋内出血、髄膜炎、脳腫瘍、高血圧なども含まれ注意が必要です。
 子どもは頭痛の様子をうまく伝えられないことが多いので、診断が遅れたり、難しい場合もあります。
 急性頭痛の診断は比較的わかりやすいのですが、慢性頭痛の診断は難しく、心理的アプローチが必要なこともあります。
 今回は子どもの慢性頭痛を中心にお話しします。




 急性( 数分~数時間 )・亜急性( 数日~数週 )頭痛の原因 

・かぜなどの急性感染症 ( 圧倒的に多い )
・副鼻腔炎 ( 時々 )→ 前頭部を痛がること多いのですが、目の奥の拍動性(ズキンズキン)の痛みのこともあり、片頭痛と間違われることもあります。
・夏かぜ、おたふくかぜにともなう無菌性髄膜炎 ( 少ない )
・虫歯 ( 少ない )
・頭蓋内出血 ( まれ )→ 頭部打撲後強い頭痛を訴えている時は、急いで医療機関を受診しましょう。
・溶連菌感染後腎炎などによる高血圧 ( まれ )→ 溶連菌感染症後1か月以内に強い頭痛を訴えたら、腎炎による高血圧かもしれませんので、尿の色、足のむくみなどチェックして医療機関を受診しましょう。


 慢性(2~3か月以上続き、発作的に反復するか持続するか)頭痛の原因  

 子どもの頭痛が長引く場合、脳腫瘍を心配されている保護者がかなり多いようですが、実際は片頭痛、緊張型頭痛、起立性調節障害、心因性が慢性頭痛の80 %以上を占めており、脳腫瘍はきわめてまれです。
 ただし、慢性頭痛を放っておけば生活に支障が出てきますので、その原因を明らかにして、上手に対応していきましょう。

◎片頭痛 ( 多い ) 
 幼児期からも起こりえますが、10歳くらいからの発症が多いです。特徴としては、
① 始まりと終わりがはっきりしていて、1~72時間持続します。
② 片側または両側性の血管が拍動するズキンズキンする痛みで、
体を動かすと頭痛が強くなるため、寝込んでしまうこともあります。
④ 吐き気やおう吐をともない、光、音、臭いにも過敏となります。
⑤ 両親のどちらかに片頭痛の方がいることも多く、頭痛の始まる前に目の前が暗くなったり、キラキラ見えたりする前兆を感じたりすることもあります。

 日常生活を普通に過ごせなくなってしまうので、医療機関を受診して、頭痛発作時の治療を相談しましょう。
片頭痛は、頭を流れる血管が急に拡張するために起こりますので、血管の収縮、拡張をコントロールする薬を頭痛発作開始時に内服するとかなり効果的で、大人の片頭痛では特効薬として使われるようになりました。
子どもでは、この薬の効果と安全性が充分確認できていないため、通常の鎮痛剤や鎮静剤を上手に使いながら様子を見ます。

◎緊張型頭痛 ( 多い ) 
 片頭痛と正反対の特徴を持つ頭痛です。小学校高学年以降に発症頻度が増加し、特徴としては、
① 始まりと終わりがはっきりしないことが多く、
② 両側性の締め付けられるような痛みで30分~7日間持続します。
体を動かしても頭痛がひどくなることはなく、逆に遊んでいるうちに楽になることもあります。
④ 吐き気はなく、肩や首のこりや痛みを訴えることが多いです。

 日常生活を普通に過ごせる事も多いため、市販の鎮痛剤を時々使用するくらいで、医療機関を受診することも少ないようです。精神的ストレスや運動不足、ゲームのやり過ぎなどによる頭から肩にかけての筋肉の緊張が原因と考えられています。思い当たるようでしたら、生活全般に注意してみてください。

◎ 起立性調節障害( 多い ) 
 小学校高学年以降に多く、朝なかなか起きられず午前中の頭痛が目立ちます
 腹痛や立ちくらみなどの訴えも目立ち、学校生活にも支障がでてきますので、かかりつけ医を受診して適切な生活指導を受けてください。
 詳細は2011年2月号を参照してください。

◎ 心因性( 多い ) 
 精神的ストレスが原因で、頭痛を訴える子どもが増えています。抑うつ傾向があると不安からますます頭痛がひどくなっていきます。
 頭痛以外にも不定愁訴が目立ったり、不登校気味になったり、学校や家庭にストレスを感じている子どもには、カウンセリングなどの心理的アプローチが必要となることもあります。
 思い当たるようでしたら、まずかかりつけ医に相談して、必要があれば心理相談が出来る医療機関を紹介してもらいましょう。

◎ 視力障害( 時々 ) 
 近視や乱視などによる眼精疲労で頭痛を訴える子どもがいます。
テレビを近くで見るようになったり、目をしかめることが多くなったら、一度視力をチェックしてください。

◎ 姿勢の悪さ( 時々 ) 
 猫背や側彎(肩の高さが違う)のある子どもが慢性的に頭痛を訴えることがあります。
無理な姿勢でのテレビゲームや読書は長時間続けないようにしましょう。
 枕の高さが合っていないこともありますので、枕を変えて様子を見るのもいいでしょう。
 歯のかみ合わせなどが原因になることもありますので、気になるようでしたら歯科医に相談しましょう。
 頭痛が改善しない場合は、一度整形外科を受診してください。

◎ てんかん( まれ )
 明らかな筋肉の硬直やぴくつきもなく、てんかんの発作症状として頭痛だけのことがまれにあります。
頭痛に引き続き眠くなることも多く、発作的な頭痛を反復する場合、脳波検査が必要になることがあります。

◎ 脳腫瘍( まれ )
 脳腫瘍による頭痛は、早朝にひどくなることが多く、頭痛が出現して2~3か月以内には嘔吐、歩行障害、視力障害、けいれんなどの他の症状が出現してきます。


                              2012年3月

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