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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  69

水痘・帯状疱疹

 水痘は健康な子どもがかかっても重症化することが少ないことから、わざわざ水痘発症した患者の所にうつしてもらいに自分の子どもを連れていく方もいます。また、子どものうちに一度かかれば良しと考えている方もたくさんいます。
 日本では予防接種率も低く、毎年流行を繰り返しています。
 今回は、水痘と水痘罹患後に発症する可能性のある帯状疱疹についてきちんと理解していただくためにお話しします。




 水痘・帯状疱疹とは 

 水痘、帯状疱疹とは水痘ウイルスは空気感染、飛沫感染、接触感染により口や鼻から進入し、約2週間後に水痘を発症します。
 直径3~5㎜程度の丘疹が顔、体、四肢、頭髪部、口の中などに1週間くらいかけてバラバラに出現します。
一番つらいのはかゆみで、病初期に発熱や倦怠感をともなうこともあります。
一つの発疹は数日かけて丘疹→水泡(水ぶくれ)→つぶれる化膿疱(水ぶくれに膿がたまる)→かさぶたの順に変化します。すべての発疹がかさぶたになるまで7~10日かかり治癒とみなされます。
 まれですが、髄膜脳炎、小脳失調、肺炎などの重症合併症が見られます。
また皮疹がひどいと、かさぶたがとれた跡が残り美容上問題となることもあります。
アトピー性皮膚炎患者では皮疹が重症になりやすく、免疫抑制剤や抗がん剤治療中の患者や妊婦・新生児などの免疫機能が弱っている人がかかると重症化しやすいので要注意です。

 水痘ウイルスは病気が治っても体から排除されず、脊髄にある痛みを感じる神経(知覚神経)に潜伏します。体の免疫機構が正常に働いていれば、何も起こしませんが、免疫機構が弱まった時に感染力のあるウイルスとなり、知覚神経に沿って脊髄から遠心性に神経分領域の皮膚に向かい、強い痛みをともなった水泡を形成するようになります。これが帯状疱疹で、水痘と違って短期間で治らず長期間痛みで苦しむ方もいます。
 空気・飛沫感染はしませんが、接触感染の可能性はあります。
一般的に50歳以降に発症しやすくなり、免疫機能が弱まる病気や治療中にもよく発症します。

 治 療 
 
 水痘発症早期に抗ウイルス薬内服を開始すると、3日くらいで新しい発疹の出現が止まり、軽く済ませることが出来ます。かゆみを軽減させるために、塗り薬や抗ヒスタミン薬の内服もよく併用します。

 帯状疱疹に対しても抗ウイルス薬の内服・点滴や軟膏が使われますが、鎮痛剤でよくならない強い神経痛に対しては神経節ブロックやレーザー治療まで必要になることもあります。

 予 防 : 水痘ワクチンの意義 
 
 水痘ワクチンは弱毒生ワクチンで、おたふくかぜワクチン同様、1歳すぎてから有料でおこなう任意予防接種です。副作用はほとんど見られない安全なワクチンです。残念ながら接種した人でも20~30%は水痘を発症していますが、発疹も少なく軽症で済み、重症水痘は予防できています。
水痘患者接触後72時間以内の接種であれば発症を予防できることもわかっています。

 1995年から定期接種化(2回接種)した米国では水痘発症数、重症合併症、医療費すべてにおいて顕著な減少が見られています。
 また最近、水痘罹患歴の有無にかかわらず、60歳以上の人にこのワクチンを接種したところ、接種しない人に比べて帯状疱疹の発生が半数しかなかったことがわかり、帯状疱疹予防効果も確認されました。帯状疱疹発症好発年齢になる前の50歳くらいに水痘ワクチン接種が推奨されるようになってきました。

 水痘は健康な子どもがかかっても重症化することが少ないこと、発症早期に治療すれば軽く済ませる抗ウイルス薬があること、ワクチンが比較的高価(7000~9000円)なことなどから、日本での接種率は30%程度しかありません。麻疹風疹ワクチン同様、2回の定期予防接種になるのがベストですが、残念ながら現時点でその予定はありません。    
 重症水痘の予防、将来的帯状疱疹の予防、登園禁止期間の短縮、美容上の問題、などを考慮して接種を考えてみてください。


                           2011年12月
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