fc2ブログ

虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  68

ロタウイルス感染症とワクチン

 ロタウイルス感染症は、乳幼児の重症胃腸炎のうち最も頻度の高い原因です。
海外では1998年からワクチンによる予防が始まり、2004年に安全性の高い経口弱毒化生ワクチンが承認されました。
 このワクチンがやっと日本でも承認され、2011年11月末から発売されることになりました。
 今回は、ロタウイルス感染症とそのワクチンについてお話します。




 ロタウイルス感染症 
 
 子どもたちの重症化しやすい胃腸炎の主な原因です。
6か月~2歳までの乳幼児がかかりやすく、5歳までにほとんどの子どもがかかります。秋~冬にかけて流行するノロウイルスに引き続き、冬~春にかけて流行します。
 他の胃腸炎と同様、糞便→経口感染で、潜伏期間は1~3日で発症します。突然の嘔吐(90%)で始まることが多く、1~2日の発熱(70%)、酸臭の強い米のとぎ汁のような白色便が特徴です。
 ノロウイルスと違って、下痢の量も多く、病初期から脱水になりやすく、点滴・入院が必要になることもあります。回復するまで1週間またはそれ以上かかることもあります。わが国でも、毎年120万人が発症し、8万人が入院、10~20人くらいが亡くなっています。
 何回かかかることもありますが、初回感染が一番重症となりやすいです。一度かかると2度とかからない子どももいますが、かかっても重症にはなりにくくなります。

 合併症 
 
 脱水、電解質異常によるけいれん、脳炎・脳症など

 診 断  

 便中ののロタウイルスを検出する迅速診断キットがあります。便を採取できれば15分くらいで診断できます。

 治 療 
 
 特効薬はありません。脱水を防ぐために上手に水分補給、食事療法をすることが大切です。
詳細は2009年11月号“下痢の食事療法―乳児編―”をご参照ください。
 嘔吐もあり、大量の下痢があると脱水になりやすいので脱水のサインを見逃さないことです。
排尿が半日近くない、目が落ち込んでいる、お腹の皮膚の張りが悪い、ぐったりしているようでしたら、早めにかかりつけを受診して下さい。

 予 防 
 
 吐物、便に排泄されるウイルスが人の手を介して口に入ると感染しますので、吐物・便の処理と厳重な手洗いがとても大切です。詳細は2011年6月号“嘔吐物の取り扱い”をご参照ください。
 ロタウイルス感染では下痢が止まっても2~3日便中にウイルスが排泄されていますので、気を付けてください。

 *2011年11月末からワクチンによる予防が出来るようになります。

 ワクチン 
 
 1998年から使用された初代ロタウイルスワクチンは、接種後の腸重積発生のため発売中止となりましたが、2004年に2代目の経口弱毒化生ワクチンが承認されました。安全性も高く現在まで世界120か国以上で承認され、日本でも2011年7月に承認され11月末からの発売が決まりました。

 ロタウイルスには多くの種類がありますが、このワクチン接種により90%の重症ロタウイルス胃腸炎を予防できます。
 ロタウイルスは感染力が強く、衛生環境を整えて完全に予防することが困難なため、WHO(世界保健機構)は先進国、発展途上国関係なくすべての地域において、ワクチンの定期接種を推奨しています。

≪ 対象年齢と接種スケジュール ≫

* 対 象
生後6週~24週(6か月)

* スケジュール
4週間以上の間隔をおいて2回接種
遅くとも生後24週(6か月)までに接種を完了させます。
要するにロタウイルス感染症を発症しやすい月齢までに予防する計画で、生後6か月以降の子どもには適応がありません。

* 形 状
甘いシロップ状の飲むワクチンです。1回に1.5ml飲ませます

* 価 格
1回13000~15000円で、2回接種すると25000~30000円かかる高価なワクチンです。
 定期接種による無料化の早期実施が待たれます。

*問題点
 生ワクチンであるため、このワクチン接種後4週間は他のワクチン接種が出来ないことです。
 乳児の予防接種は肺炎球菌、ヒブ、三種混合、BCG、ポリオと盛りだくさんで、すでに接種計画に頭を悩ませているお母様方もいらっしゃることでしょう。
 このワクチン接種を生後6週で始めて最短の生後10週で完了させ、14週以降に他のワクチン接種計画を立てるのが理想と言えます。


                                    2011年11月
スポンサーサイト




別窓 | 未分類 | トラックバック:0
∧top | under∨

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| 虹診療所 |