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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  65

子どもの貧血

 子どもの貧血の原因はたくさんあり、年齢によってもかなり違ってきます。中には急性に進行し危険な状態になりかねない病気や、白血病・小児がんにともなう貧血もありますので、貧血を疑ったらまず医療機関を受診してください。そのためにも子どもの貧血のサインを見逃さないことが一番大切です。




 症状 

 貧血とは、赤血球にあるヘモグロビンというタンパクが低下した状態です。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ仕事をしていますので、これが少なくなると全身の酸素不足による症状が出ます。
 乳幼児では、元気がない、機嫌が悪い、食欲がないなど、学童以上であれば、疲れやすい、動悸、運動能力の低下などが貧血を疑うサインです。
 貧血は一般的に顔色などで判断されますが、ヘモグロビンが正常の2/3以下まで低下しないと外見(皮膚色)ではわからないことが多いです。顔色よりは、眼瞼結膜、爪、手のひらの色の方がよりわかりやすいです。また貧血の皮膚色は黄色く見えることもあります。


 原因 
  
 ①造血(赤血球の産生)の障害か、造血は正常だが②赤血球の消費亢進のどちらかです。

①造血(赤血球の産生)の障害 
 血液細胞(赤血球、白血球、血小板)は骨髄で造られますが、骨髄の障害である白血病、再生不良性貧血といった難病が原因で貧血となる子どもが1人/数万人います。これらの病気は、貧血以外にも出血しやすかったり、発熱したり、手足の痛みなどをともなうこともあります。

 感染症にともなって、骨髄での赤血球産生が抑制され貧血になることがあります。子どもに貧血を起こす有名な感染症に伝染性紅斑(リンゴ病)があります。健康な子どもがかかった場合は約2週間赤血球の産生が止まるだけですので、一過性にヘモグロビンが10%くらい減少しますが、ほとんど気づかれずに治ってしまいます。ただし、白血病、再生不良性貧血などの造血障害や後述の溶血性貧血がある子どもが、伝染性紅斑(リンゴ病)にかかると重症貧血を呈し、輸血が必要になることもあります。

 赤血球を造るために必要な鉄、ビタミンB、葉酸などの材料不足による貧血があります。生後6か月~2歳くらいと思春期に多く見られる鉄欠乏性貧血が子どもの貧血の原因として圧倒的に多い原因です。
これについての詳細は来月号でお話しします。
  
②赤血球の消費亢進 
 出血と溶血(赤血球が壊れやすいまたは壊される病気)がその原因です。出血や溶血による貧血は急性に進行することがあるので、十分な注意が必要です。

<出血>
 外傷による頭蓋内、胸腹腔内の出血は外からわかりませんので、強い打撲後、急に元気がなくなったり、少しでも皮膚色が気になるようでしたら急いで医療機関を受診して下さい。
 食中毒による出血性腸炎や慢性炎症性腸炎による粘血便(イチゴゼリー様)でも貧血は進行します。
しかし、炎症や潰瘍による上部消化管(食道、胃、小腸)での少量出血は、便が赤くなりませんので気づかれないことが多く、知らないうちに貧血になっていることがあります。
黒っぽい排便が時々あるはずですので、反復する腹痛や黒っぽい排便があるようでしたら医療機関を受診して下さい。

<溶血>
 骨髄で造られた赤血球は、約3~4か月全身に酸素を運ぶ仕事をして寿命をむかえます。その寿命を全うすることなく早く壊れてしまうことを溶血と言います。
溶血の程度が強いと皮膚や白目の部分が黄色くなったり(黄疸)、尿が赤くなったりします。

* 血液型不適合などよる新生児溶血性疾患
 妊娠分娩時の問題ですので、出産直後に治療が開始されます。赤ちゃんが退院後問題となることはありません。

* 遺伝性球状赤血球症などの先天性溶血性疾患 
 生まれつき赤血球膜が弱く、壊れやすい病気です。
遺伝性が強く、新生児期の黄疸が強いのも特徴です。
健康な人の何倍も早く赤血球が壊れるので、血液細胞を壊して処理する脾臓も大きく、常に黄疸、貧血があります。
しかし、貧血にならないように骨髄での造血も頑張りますので、貧血の程度が軽く気づかれないこともあり、前述の伝染性紅斑(リンゴ病)にかかった時に重症貧血を起こして始めてこの病気が判明することも時々あります。
この病気は、貧血、黄疸の程度、合併症である胆石に気を付けて付き合っていけば、日常生活に問題はありませんので、思い当たることがあれば、かかりつけ医に相談しておきましょう。

* 病原性大腸菌などによる溶血性尿毒症症候群 
 赤い尿が出て、急激に貧血も進みますので、急いで医療機関の受診が必要です。
下痢がある時は、尿の色や黄疸、貧血のサインに注意して下さい。


来月は、子どもの貧血の原因で最も多い鉄欠乏性貧血についてお話します。

                                  2011年8月
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