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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  55

2010年 最新インフルエンザ情報

 2009年4月、ブタの間で流行したインフルエンザウイルスがメキシコで突如として発生し、6月にはWHO(世界保健機構)がパンデミック=世界的流行病と宣言し、日本でも今年の春にかけて大流行しました。
 昨年の秋は、“新型インフルエンザワクチンを誰から先に接種していくべきか”を巡って医療現場もてんてこ舞いでしたが、結局、今年の春にかけてワクチン接種がおこなわれながらも、多くの人がこの新型インフルエンザにかかりました。
 国民全体での罹患した人数はわかりませんが、日常診療、夜間・休日外来の混雑ぶりは異常で、私が校医をやっている小学校では半分以上の子どもが新型インフルエンザに罹患しました。幸い、新型インフルエンザウイルスの毒性は予想より低かったようで、有熱期間、脳炎・肺炎などの重症合併症頻度、死亡率(0.1%以下)すべてにおいて、今までの季節性インフルエンザ罹患患者のデータを下回っていました。特に死亡率の低さは、先進国の中でもトップクラスで、国民の意識の高さやインフルエンザ治療薬の早期投与などが貢献していると考えられています。
 2010年になって世界的に流行は沈静化し、2010年8月にWHOも終息宣言を出しました。日本の内閣総理大臣を本部長とする新型インフルエンザ対策本部も廃止となり、去年の大騒ぎがうそのようです。




 インフルエンザの歴史 

【 A 型 】
 ①スペインかぜ 
   1917年~、世界で6億人が罹患、2000万人以上の死者。日本でも国民の約半数が罹患し、40万人の死者。

 ②アジアかぜ
   1957年~、死者はスペインかぜの1/10程度で、日本では300万人が罹患し、5700人の死者。

 ③香港かぜ
   1968年~、香港で約2ヶ月のうちに50万人が罹患し、世界で5万人以上の死者。
   日本でも14万人が罹患し、2000人の死者。

 ④ソ連かぜ
   1977年~、スペインかぜの変異と考えられ、抗体を持っていない子どもと若年層に限られた流行。

【 B 型 】
   1940年~、小規模な流行を繰り返していますが、変異も少なく新型の出現はありません。


 ①スペインかぜ→②アジアかぜ→③香港かぜの流行から学ぶことは、一旦、A型インフルエンザウイルスが大流行すると、毎年小変異を繰り返しながらの流行が続き、新しいA型が出現するとそれまでの主流インフルエンザウイルスの流行がなくなっていく歴史でした。
 例外的に④ソ連かぜが流行した後だけ、A香港型とAソ連型の混合した流行が続いていました。今回の新型インフルエンザ流行により、今後、A香港型、Aソ連型の流行がなくなるかどうかが注目点です。
 実際、日本で2009年夏~2010年夏までに検査されたインフルエンザウイルスのほとんどが新型です。


 今年のインフルエンザワクチン 

 今年のインフルエンザワクチンは、昨年のように季節性と新型を別々に接種する必要はなく、Aソ連型の代わりにA新型を入れたA新型+A香港型+B型のインフルエンザワクチンが10月から接種可能となります。今後、新型インフルエンザもAメキシコ型?などと命名されて季節性インフルエンザとしてあつかわれることになります。
 接種費用は、市町村統一料金にするかどうかで違ってきます。住んでいる市町村が料金の統一化をしなければ、今までの季節性インフルエンザ同様各医療機関設定となります。ちなみに当クリニックのある佐倉市は統一化しないことになりました。

 今年のインフルエンザ治療薬 
 
 タミフル内服薬、リレンザ吸入薬に加え、1回だけの吸入で2回/日×5日間吸入するリレンザと同じ効果がある新薬が発売予定です。また15分以上かけて静脈内注射する薬も発売される予定になっています。

                          2010年9月
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