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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  53

誤飲〈2〉-固形物(コイン、おもちゃなど)-

先月号では、タバコ、薬品などの可溶性物質の誤飲時対応についてお話しましたが、今月は固形物の誤飲についてお話します。原因となる誤飲物質とそれが停滞している部位によって緊急性が異なることを知っておいてください。




 喉頭異物 

 小さなおもちゃ(スーパーボールなど)、もち、こんやくゼリー、ビニールの切れ端などをのどの奥に詰まらせて、窒息をおこす可能性もある危険な状況です。激しい咳き込み、吸気性呼吸困難(息が吸いづらい)、声が出ない、チアノーゼ(口唇色が紫)などが見られます。
あわてて口の中に手を突っ込んで異物を取りだそうとしないで下さい。異物を押し込んでかえって窒息の危険性が高まります。
 応急処置として乳幼児の場合、保護者は立て膝の姿勢をとり、うつぶせにした子どものみぞおちを大腿部で圧迫するようにして子どもの頭を低くし、背中を平手で数回叩いてください。年長児の場合、子どもを後ろから抱きかかえて、両腕で腹部を上方へ圧迫してください。異物がとれない場合は、すぐに救急車を呼んでください。

 気管・気管支異物 
 
 口腔内に食べ物が入っている状態で、泣いたり、咳き込んだりすると、その反動で気管内に異物を吸い込んでしまうことがあります。3歳未満の乳幼児に多く、原因の大部分がピーナッツや枝豆などの豆類です。
 誤飲直後は激しい咳き込みが見られ、細い気管支に入り込むと喘息発作様のゼーゼーが出現することもありますが、一旦症状がなくなってしまうこともあります。異物が気管・気管支内に残っていれば、1~2日後には炎症により発熱、咳が見られるようになり、肺炎、肺化膿症を起こし、全身麻酔下で気管支鏡にて異物を除去しなければなりません。気管支異物が疑われる状況があれば、まずかかりつけ医か小児救急外来を受診しましょう。

 食道異物  

 コインが約2/3を占め、ボタン型電池、ビー玉、おはじきなどのおもちゃも原因となります。食道に異物が停滞すると、よだれ、飲み込みづらさ、嘔吐などがみられることもありますが、症状がないこともよくあります。
 24時間以上放置すると、食道潰瘍が出来たりすることもありますので、疑いがあれば、まずかかりつけ医か小児救急外来を受診しましょう。診断されれば麻酔下で除去が必要となります。
 とくにボタン型電池は組織障害力が強いので、誤飲した可能性があればすぐに受診しましょう。

 胃内異物 
 
 小さい異物は胃に入ればほとんど1~2日で便から排泄されますし、症状もありません。食道異物も胃に落ちればほとんど心配ありません。ただし小さな異物でも一箇所に停滞すると潰瘍・穿孔などの危険がありますので、2日たっても便から排泄されなければかかりつけ医を受診しましょう。
 症状がないと、誤飲物が食道なのか胃にあるのかを区別できませんので、食道異物になり得る大きさの物、ボタン電池のように組織障害力の強い物、画びょう、安全ピンのような鋭利な物を誤飲した可能性がある時は、かかりつけ医か小児救急外来を受診しましょう。

 予防 

 誤飲事故においては、いうまでもなく予防することが重要です。
乳幼児の口が最大に開いた時の口径は3~4cmですので、これより小さい物は床から1m以上の高さに置くように習慣づけましょう。
食べている最中に喋る、笑う、遊ぶなどをすると誤嚥しやすいので、注意してください。
また乳幼児にピーナッツなどの豆類は与えないようにしましょう。


                                  2010年7月

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