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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  52

誤飲〈1〉―可溶性物質(タバコ、薬品など)―

 子どもは生後5ヶ月頃からつかんだ物を口に持ってくるようになりますので、この頃から誤飲事故が急激に増加してきます。さらにわが国は、畳や床の上に座っての生活様式が多いため、子どもの手が届くところにいろいろな物が置いてあり、欧米に比べ誤飲事故が非常に多いのです。
 誤飲物としては圧倒的にタバコが多く、医薬品、洗剤類、コインなどが続きます。誤飲事故は予防することが最も重要ですが、今月は薬品、タバコなどの可溶性物質の誤飲時の対応についてお話します。来月はコイン、おもちゃなどの固形物についてお話します。




 応急手当 
 
 いつ、何を、どのくらい誤飲したかが判明すれば対応が決まりますので、原則的には情報を確認の上、かかりつけ医もしくは救急病院や中毒110番へ情報を伝えて指示を受けることをお勧めします。
 応急手当のポイントは、①吐かせて良いのか、②吐かせる前に何か飲ませた方が良いのか、③飲ませるなら水とミルク・牛乳どちらが良いのか、です。
 吐かせていけないのは灯油や除光液などの揮発性物質と強酸・強アルカリの漂白剤などを誤飲した場合と、けいれんや意識障害がある場合です。

 誤飲物質 

 タバコ
 詳細は2008年8月号を参照してください。
 タバコの誤飲時に水や牛乳・ミルクを飲ませると、かえってニコチンの吸収が早まって症状が出やすくなる報告もありますので、何も飲ませないで下さい

 ① 乾いたタバコを2cm以下しか食べていない場合  
  口の中に残っているタバコの葉は除去し、4~5時間子どもの様子を観察してください。
  何も症状がなければ安心してください。吐いたり、顔色が悪くなるようでしたら、念のため医療機関を受診してください。

 ② 乾いたタバコを2cm以上食べたか、食べた量が分からない場合
  手を口の中に入れて舌の奥を下へ押して、胃の内容物がなくなるくらい吐かせてから、医療機関を受診させてください。

 ③ ぬれたタバコを食べたか、タバコがつかった水分を飲んだ場合 
  吐かせてから、急いで、胃洗浄が出来る医療機関を受診してください。

 医薬品
 水でも牛乳・ミルクでも飲ませて、舌の奥を下へ押してすぐに吐かせてください。誤飲した薬品の種類と量によっては、至急医療機関受診の必要性が出てきます。

 防虫剤(パラジクロルベンゼン、ナフタリンなど)
 防虫剤は脂に溶けやすいので脂肪分を飲ませると毒物の吸収を早めますので、牛乳・ミルクではなく、水を飲ませてから吐かせてください
 ナフタリンの場合は、急いで、胃洗浄が出来る医療機関を受診してください。ただし最近の防虫剤のほとんどはパラジクロルベンゼンなので、大量に食べていなければ心配ありません。

 乾燥剤(シリカゲル、生石灰など)
 生石灰は粘膜刺激作用が非常に強いので吐かせないで、粘膜を保護するため牛乳・ミルクを飲ませてから医療機関を受診させてください。口、目、皮膚に付着していれば大量の水ですぐに洗浄してください。ただし最近の乾燥剤のほとんどはシリカゲルなので、大量に食べていなければ心配ありません。

 化粧品(化粧水、日焼け止め、乳液など)
 中毒が起きるのはアルコールが含まれている化粧水を大量に飲んだ時くらいですので、少量ならば様子を見ていて大丈夫です。

 揮発性物質(灯油、ベンジン、除光液など)
 吐いた物が気道に入ると重症肺炎を起こすので、何も飲まさず吐かせないでください。付着した衣服などは脱がせて、少量摂取でも至急医療機関を受診させてください。

 漂白剤
 粘膜刺激作用が強いので吐かせないで、粘膜を保護するため牛乳・ミルクを飲ませてから医療機関を受診させてください。口、目、皮膚に付着していれば大量の水ですぐに洗浄してください。


中毒110番相談電話
   * 大阪中毒110番(24時間):072-727-2499
   * 中毒110番(9‐21時):029-852-9999
   * タバコ誤飲事故専用電話(24時間):072-726-9922


来月は固形物の誤飲についてお話します。

                                  2010年6月
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