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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  5

こどもの夏かぜ

 夏場に流行しやすいエンテロウイルス群とアデノウイルス群による感染症のことを一般的に“夏かぜ”と呼びます。今回は、この2つのウイルス感染症の特徴についてお話します。






 エンテロウイルス感染症 

 エンテロウイルスは唾液、鼻汁、便などとの接触感染や飛沫感染で広がっていきます。潜伏期間は2~4日くらいで、何も症状がでない人(不顕性感染)もいれば、発熱、鼻汁、咳、下痢、発疹、口内炎など多彩な症状を次々と呈する人もいます。一旦感染すると3~5週間くらい体に居座るのが一つの特徴なので、発熱をはじめとする多彩な症状が繰り返し出現することもあります。全身状態は比較的良好ですが、しつこいため毎週のように病院にかかっているお子さんも多く見られます。夏場の予防接種を積極的に勧めないのも、知らないうちにこの感染症にかかっているこどもが多いからです。
 ヒトに感染するエンテロウイルスは現在約70種類が知られています。その中で、容易に診断できるのが、夏かぜの代表でもあるヘルパンギーナと手足口病で、それぞれ約10種類、5種類のエンテロウイルスによって起きます。

[ヘルパンギーナ]
 突然の発熱、のどの痛みなどで発症します。のどに水泡、潰瘍が出現し、高熱が1~4日続きます。

[手足口病]
 手のひら、足の裏から臀部、口の中に小丘疹・小水疱が出現し、1~2日発熱することもあります。


 治療

 ウイルスを退治する薬はありません。もちろん抗生剤も効きませんので、対症療法です。発熱で暑がっているときは、エアコンなどで室温を調節し、薄着にしたり、冷やしてあげましょう。口やのどを痛がることが多いので、口当たりがよく刺激の少ない飲食物を与えるようにしましょう。


 合併症

 高熱、頭痛、嘔吐の症状で発症する無菌性髄膜炎が時々見られますので、疑ったら念のため医療機関を受診してください。安静にしていれば1週間くらいで治りますが、著しく経口摂取ができない場合は、点滴や入院が必要になります。きわめて稀に脳炎を合併することがありますので、意識障害が疑われるときは早めに医療機関を受診してください。
稀ですが忘れていけない合併症として心筋炎があります。心臓の収縮力が低下するため、心拍数、呼吸数が増加し、ぐったりして元気がなくなりますので、このような時は早めに医療機関を受診してください。


 出席停止基準は?

 ウイルス排泄が長期間続くため、出席停止基準はありません。私は、解熱して元気ならば登校・登園を許可しています。



 アデノウイルス感染症 

 アデノウイルスも感染経路は接触、飛沫で、潜伏期間は5~7日です。ヒトに感染するのは約50種類で、上気道炎、気管支炎、肺炎、扁桃腺炎、咽頭結膜炎(プール熱)、流行性角結膜炎(はやり目)、胃腸炎、出血性膀胱炎などの多彩な病型があります。
 1年通してアデノウイルス感染症は見られますが、とくに夏場流行しやすいのが咽頭結膜炎(プール熱)で、7~8種類のアデノウイルスによって起こります。突然の高熱が4~5日続き、のどの痛み、目の充血、目やにをともないます。
 診断は綿棒で拭い取ったのどの浸出液を調べれば、15分以内にわかります。重大な合併症もなく治療は対症療法だけですが、目の充血がひどいときは、角膜に傷が残ったりするので念のため眼科を受診しましょう。
 出席停止期間は“主要症状が消失してから2日が経過するまで”となっています。
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