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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  49

子どもの肺炎球菌ワクチン(プレベナー)

 肺炎球菌は子どもの感染症の原因として最も多い細菌で、重症感染症を引き起こす原因としてもインフルエンザ桿菌(ヒブ)よりも多く、全世界で年間100万人以上の子どもが肺炎球菌感染症で死亡していると推定されています。
高齢者用の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)は日本にも導入されていましたが、これは子どもに接種しても効果がありません。
子どもの肺炎球菌による重症感染を予防できるワクチンは、2000年アメリカで承認されて以来、2009年12月までに約100カ国(43カ国で定期予防接種)で使用されるようになり、やっと2010年2月末に日本でも発売になりました。






肺炎球菌感染症
 
肺炎球菌は、外側に特別な膜をもっており、これにより白血球の攻撃に抵抗できるので、重症感染を起こしやすいのです。よく見られる感染症は、中耳炎や副鼻腔炎などの局所感染症ですが、命にかかわるような菌血症、髄膜炎、重症肺炎などの重症感染症を起こすことがあります。

  菌血症
 血液の中に菌が侵入して起こり、子どもの菌血症の約90%は肺炎球菌が原因です。
 発熱以外にほとんど症状がなく、診察してもわかりません。
 多くは自然に治りますが、髄膜炎や重症肺炎になることがあるため小児科医の中で
 問題となっています。 ワクチンによる予防が一番の対策です。

  髄膜炎  
 発熱、不機嫌から始まり、嘔吐、けいれん、意識障害などが出現します。 
 細菌性髄膜炎の原因としてインフルエンザ菌(ヒブ)に次いで2位です。
 年間約200人の乳幼児が発症しており、30%くらいが、命をうばわれたり、
 重い障害を残しています。

  肺 炎
 肺に膿が溜まったりし、呼吸障害も強いです。

  中耳炎
 約30%の原因が肺炎球菌で、ワクチンにより中耳炎の反復は減少します。


 ワクチン 

 子ども用の肺炎球菌ワクチンが定期予防接種になっているアメリカでは、子どもの重症感染症が98%も減少しました。間接的効果として、接種した子どもの周囲の高齢者の重症感染も65%も減少したそうです。これを受けて、2007年には世界保健機構(WHO)が世界中で定期予防接種にするよう推奨しました。
 肺炎球菌には約90種類の型があり、その中の20種類ほどが重症感染症の原因となっています。世界では10種類、13種類の型に効果のあるワクチンも実用化されておりますが、まだ日本での実用化は決まっていません。
 今回発売されたワクチン(プレベナー)は、7種類の型に効果があり重症肺炎球菌感染症の約75%をカバーできるものです。

 接種部位の腫れなどの副反応も頻度も他のワクチンと同程度です。


 接種スケジュール、料金 
 
接種年齢は2ヶ月~9歳です。
標準的スケジュールは初回免疫3回+追加免疫1回の計4回接種ですが、接種開始年齢によって変わります。

【 接種開始年齢 】   
 * 2ヶ月~ 6ヶ月 *   
   初回 4週間(以上)あけて3回
   追加 3回目から60日以上あけて、1歳~1歳3ヶ月に1回追加  (計4回接種) 
 
 * 7ヶ月~11ヶ月 *   
   初回 4週間(以上)あけて2回
   追加 2回目から60日以上あけて、1歳~1歳3ヶ月に1回追加  (計3回接種)

 * 1 歳 *  
   60日以上あけて、2回接種

 * 2~9歳 *
   1回接種

【 料 金 】
1回10,000円前後と高価なので、早期の公費援助が待たれます。


 他のワクチンとの同時接種が可能ですので、三種混合ワクチンやヒブワクチンなどと組み合わせてスケジュールを決めましょう。また、最近の約1年間に3つの新しいワクチン(ヒブ、肺炎球菌、子宮頸がん)が発売されましたので、子どもの予防接種スケジュールに対するお母様方の混乱が生じてきております。
 来月は“今後の予防接種スケジュール”についてお話します。

                                             2010年3月
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