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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  48

サーバリックス(子宮頸癌を予防する女性用ワクチン)発売

 子宮頸癌予防ワクチン“サーバリックス”が日本でも2009年12月末より使用できるようになりました。2006年以降世界100カ国で使用されるようになったワクチンです。特に性交渉が始まる前の女性への接種が有効で、10歳以上の女性が対象となっています。
 今回はこのワクチンについてお話します。





 子宮頸がんとは 

 わが国では年間約15,000人の女性が発症し、約3,500人が亡くなっており、女性の癌では乳癌に次いで2番目に多い、恐ろしい病気です。特に20~30代の若い女性で発症率が高く、早期に発見しないと死亡をまぬがれても子宮を摘出しなければならなくなり、子どもを産めなくなってしまうため、海外では“マザーキラー”と呼ばれている病気です。
 1983年、性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸癌の原因であることが判明しました。この発見で、他の癌と違って、HPV感染を防ぐことにより予防可能な病気となりました。
 ワクチン接種により70%が予防できますので、1~2年に1回の子宮癌検診受診を加えることによりほぼ100%予防できます。
 性交渉経験のある方の子宮癌検診受診率は、欧米の80%に対して、日本は20%にすぎませんので、くれぐれも定期受診をお忘れなく!


 ヒトパピローマウイルス(HPV) 

 このウイルスは100種類以上の型があり、多くがイボなどの原因ですが、その中の15種類に発癌性があることが分かって来ました。子宮頸癌の組織からはこの発癌性HPVがほぼ100%検出されます。HPVは性交渉で感染しますが、感染しても通常は短期間で排除されてしまいます。しかし、一部の人では持続感染が起こり、最終的に感染した女性の1,000人に1~2人が子宮頸癌を発症すると考えられています。


 ワクチン 

 HPVワクチンは、2006年度からアメリカで使用されてから、現在は約100カ国で使用されています。発癌性のある15種類すべてをカバーできるワクチンはありませんが、高頻度に発見されている2つの型(16,18型)に対するワクチンで70%の子宮頸癌を予防できます。これが今回日本で認可された、ヨーロッパ中心で使用されている“サーバリックス”です。接種により20年間の予防効果が推定されています。
 北米を中心に使用されているワクチンは、4つの型(6,11,16,18型)に対するものですが、子宮頸癌の予防効果はサーバリックスと差はないようです。性器に出きるイボ(尖圭コンジローマ)などの予防効果も期待できる反面、パン酵母が使用されておりアレルギー反応も多いようなので、日本では認可されていません。
 性交渉開始前に接種しておくのが最も有効なワクチンで、10歳以上の女性が対象となっています。日本でも、女子高校生の70%に性交歴をあるようですので、中学卒業までに接種しておくのが良いと思います。また、感染予防だけでなく、持続感染を食い止めることも出来ますので、性交渉経験のある成人女性にも十分効果が期待できます。


 接種スケジュール、副反応、価格 

 10歳以上の女性を対象に、
  ① 初回
  ② 初回から1ヵ月後
  ③ 2回目から5ヵ月後 の計3回接種をします。
 肩への筋肉注射ですので、一般的な予防接種に比べ、痛みが強いことは覚悟して下さい。その他、注射部位の発赤88%、腫脹79%、全身症状として疲労57%、筋痛45%、頭痛37%などの副反応も強めですが、接種スケジュールを中断するような重篤な副反応は見られていません。
 1回16,000~17,000円で計3回50,000円近くかかる高価なワクチンです。一部の自治体で助成金が出ていますが、現時点で期待は少ないですので、是非とも“子ども手当”などを利用して接種を考えてください。



                                          2010年 2月
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