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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  43

2009年新型インフルエンザ大流行

 豚の間で流行していたウイルスが人に感染したとされている新型インフルエンザは、2009年4月にメキシコで突如として発生し、アッという間に世界的大流行となりました。6月にはWHO(世界保健機構)がパンデミック=世界的流行病と宣言し、警戒水準を最も危険なフェーズ6まで引き上げました。
 日本でも、この夏から第一波の流行が全国的に広がり、もともと低温、乾燥を好むインフルエンザウイルスですので、秋から冬の大流行がとても心配される事態となっています。
 より心配をあおる報道もある中、今回は、新型インフルエンザについて、現時点での間違いのない情報をお話します。






 新型インフルエンザの特徴 

 新型特有の症状はありません。季節性インフルエンザ同様、急な発熱、倦怠感、筋肉痛、頭痛などに加え、咳、鼻水、のどの痛み、嘔吐、下痢などがあります。抗ウイルス薬(タミフル、リレンザ)も効果があります。今のところ、私が診療している中でまだ重症患者は見ていませんし、全体的に軽症患者が多いという印象です。
 一番の特徴は、患者年齢が10歳代にピークがあり、40歳過ぎると減少していきます。入院患者も季節性インフルエンザでは60歳以上が大半を占めるのに、全年齢層にわたっています。


 重症度 

 8月末日で世界中の患者登録数20万人を越え、死者も2000人を越えたことが発表されました。数字だけ見ると、致死率は1%で、季節性インフルエンザの0.1%に対して10倍も危険という結果です。ただし、この数字をこのまま信用してはいけません。財政事情や医療体制によって、軽症患者がカウントされない国々の致死率は1%以上と高く出ていますが、日本やヨーロッパの多くの国では、早期受診、早期治療を指示していますので、軽症患者も把握されやすく、致死率0.2%以下です。以上より、新型インフルエンザが季節性インフルエンザに比べて重症化しやすいとは言えません。

  妊婦、乳幼児、持病(呼吸器疾患、腎臓病など)のある方は

  インフルエンザは、もともと呼吸器に感染しますし、免疫が弱っている人に対しても
  危険な感染症ですので、十分注意しなければいけません。
  ただし、季節性インフルエンザに比べ、何倍危険であるかの信頼できるデータは
  まだ出てきていません。


 子どもの死亡例 

 8月末日までに世界中で36人が亡くなっています。驚くことに乳幼児が多いわけではなく、5歳以上で80%を占め、多くが小中学生です。これが新型インフルエンザの特徴を反映しているのかもしれません。ただし、発症2日以内に抗ウイルス薬を使用できたのがたった4人ですので、早期治療により何人か救命できたのかもしれません。


 対策 
 
 感染を広げないために、みんなで共通の意識が必要です。
  * 個人的防御 : 手洗い、うがい、マスク、咳エチケットなど
  * 社会的防御 : 休校・休園、集会の中止
  * ワクチン接種 : 重症化させないための最も効果の期待できる方法です。
              厚生労働省は10月末から接種開始を予定しているようですが、
              9月に入っても現場の医療機関にも詳細は伝わっていませんので、
              現時点ではお知らせが出来ません。
              今年は、季節性インフルエンザワクチンもした方が良いと考えますが、
              新型には効果ありません。


 受診のタイミング 

 インフルエンザが疑われる場合、全身状態が悪くなければ、発熱後半日ぐらいしてから、医療機関を受診してください。早すぎると検査キットで正確な診断ができません。
 待合室での感染拡大を避けるためにも、受診前に受付けに疑いのあることを伝えてください。
 日本の抗ウイルス薬備蓄量は、世界でトップですので、今のところ足りなくなる心配はなさそうです。
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