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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  41

夜尿症(おねしょ)ー指導と治療についてー

 夜尿症の原因とタイプ(型)については、5月号でお話しましたので参照してください。今回は、夜尿を早く治すための指導と治療についてお話します。






 ご家族の心構え 
 
 夜尿症の自然治癒率は1年で約10%ですので、上手に指導・治療したとしてもすぐに治るわけではありません。あせらず気長に付き合う覚悟が必要です。子どもは、わざとおねしょをしているわけでもありませんし、お母さん方に迷惑をかけていることも分かっています。毎日のようにおねしょがあると、ついつい愚痴ってしまたり、嫌な顔をしてしまったりするかもしれませんが、出来るだけ「いずれ必ず治るから、気にしないで」という気持ちを伝えてください。おねしょをしなかった時にはほめてあげましょう。


 指導と治療 

 夜尿症のタイプによって指導・治療も変わってきますので、まずは計量カップでがまん尿量と夜間尿量を測定し、日記をつけましょう
 がまん尿は、学校から帰ってきた後、おしっこを出来るだけがまんさせ、もれるギリギリで測定します。
 夜間尿量は、朝一番の尿量におねしょの尿量(ぬれたおむつの重さ―使用前のおむつの重さ)を加えて算出します。おねしょ日記を最低2週間以上つけ、医療機関に持参しタイプを判別してもらいましょう。

 また、どのタイプにも共通して指導する点として、
● 夜更かしや不規則な生活は夜尿を悪化させますので、早寝、早起き、決まった食事の時間など規則正しい生活リズムを確立しましょう。
● 寝る約3時間前から水分、塩分摂取を控えましょう。夕食時間は早めにし、水分はコップ1杯までとし、味噌汁や漬物は出来るだけ食べないようにしましょう。その代わり、朝~夕までは十分水分を摂取するようにしましょう。
● 冬は寒さのため悪化しやすいので、寒さ(冷え)対策が大切です。寝る前にゆっくり入浴して温まったり、電気毛布、湯たんぽの使用も良いと思います。
● ぐっすり眠っている時に抗利尿ホルモン(尿を濃くして夜間の尿量を減らす働きがあるホルモン)がたくさん分泌されますので、おねしょ予防で無理やり夜中に起こして排尿させるのはやめましょう


 多尿型

 夜間尿量が多いタイプで、原因として、習慣的に水分や塩分を摂りすぎているか、抗利尿ホルモン分泌不良が考えられます。正常の夜間尿量は小学校低学年で200ml以下、高学年で250ml以下です。
 寝る前の水分・塩分制限を続けても効果が上がらないようでしたら、薬を使って治療します。抗利尿ホルモンの分泌不良か否かは、朝一番の尿の濃さを検査して判定します。
 濃くなければ分泌不良と考えられますので、寝る前に抗利尿ホルモン剤を点鼻する治療が効果的です。
 尿が濃ければ三環系抗うつ剤(夜間尿量を減らしたり、膀胱容量を増やす作用があります)を寝る前に内服する治療を選択します。うつ的な状態を明るくする薬剤ですが、精神面への影響はほとんどありません。


 膀胱型

 膀胱が小さく、尿をためる力も弱く、日中もパンツにちびってしまうこともあります。正常のがまん尿は大体“年齢×25ml”で、小学校低学年で150~200ml、高学年で250ml以上です。
 膀胱容量を増やす訓練のため、がまんする習慣をつけ、合わせて日記を付けましょう。効果が上がるまでは時間がかかりますので、がまん尿が増えてきたらほめてあげてください。数か月~1年で効果が上がってこなければ、膀胱容量を増やす薬(抗コリン剤など)を寝る前に内服する治療があります。


 混合型

 多尿型、膀胱型の両方の指導・治療が必要となります。薬も1つではなく、組み合わせて使う場合もあります。

 解離型

 日中はがまんできるのに夜間だけ膀胱容量が低下している一番治りにくいタイプです。日記を付けると、昼間のがまん尿量も夜間の尿量も正常なのに、朝一番の尿量が少なく、毎日のようにおねしょがあります。しかし、最近アラーム療法が約70%も有効であることがわかってきましたので、適応のあるお子さんには是非試していただきたいと思います。
 アラーム療法とは、まずおねしょセンサーを購入(1~2万円)、パンツのぬれやすい場所にセンサーをつけて寝ます。ぬれるとすぐにブザーが鳴ったり振動したりしますので、一時的に覚醒し、条件反射で排尿を途中で止めるようになります。これを続けていると夜間の蓄尿力が高まり、治っていきます。

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