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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  39

夜尿症(おねしょ)1-原因とタイプ(型)について-

 5~6歳になっても月に数回以上“おねしょ”をすることを“夜尿症”といいます。夜尿症は学童期の子どもの約10%に見られるありふれた病気です。多くの子どもは、幼児期になると、日中のおむつがはずれ、排尿が自立していくと同時におねしょもなくなっていきます。しかし、就学後もおねしょが頻回にあり、宿泊学習などがある学年まで続くと、子どもにとっても、親にとっても、その悩みは深刻になってきます。
 子どもの夜尿症を早く治してあげるためには、①保護者がその原因を理解してあげる。②夜尿症のタイプを判別する。③適切な指導、治療をおこなう。ことが必要です。
 今月は①、②について、来月は③についてお話します。





 
 夜尿症の頻度 

 夜尿症は男女比2:1で男に多く、小学校1年生で10%、中学校1年生で2~3%、成人で1%と言われています。


 夜尿症の原因 

 一般的に3~4歳になると夜間の排尿間隔は9~10時間になり、夜尿がなくなっていきます。多くの夜尿症は、夜眠っている間につくられる尿の量と、その尿をためる膀胱の大きさとのバランスがとれていないために起こります。この発達機構には遺伝的要因(家族暦)が強いことが明らかになっており、生育暦や、心理的影響などはあまり関係ないようです。


 夜尿症のタイプ 

① 多尿型
 
 夜間尿量が多いタイプで、抗利尿ホルモン(主に夜間分泌されるホルモンで、尿を濃くして量を減らす働きがあります)分泌不良か、習慣的に水分や塩分を摂りすぎているのが原因です。
 正常の夜間尿量は小学校低学年で200ml以下、高学年で250ml以下です。

② 膀胱型
 膀胱が小さく、尿をためる力も弱く、日中もパンツにちびってしまうこともあります。正常のがまん尿は大体“年齢×25ml”で、小学校低学年で150~200ml、高学年で250ml以上です。まれですが、日中はがまんできるのに夜間だけ膀胱容量が低下している治りにくいタイプ(解離型)があります。

③ 混合型
 多尿型、膀胱型の両方で、重症のタイプと云えます。


 医療機関への受診 

 小学校入学時に2日に1回以上夜尿をしている子どもが、卒業時までに自然に治る確率は約半分しかありません。夜尿症は睡眠時における排尿機構の発達障害であり、その障害にあった治療をおこなうことにより、夜尿の消失が早まることが明らかとなってきていますので、小学校入学後にも高頻度にみられる夜尿症に対しては、医療機関に相談して積極的に取り組んであげてください。
 受診時期は、1年生になって少し小学校生活に慣れたぐらいが良いと思います。夜尿症相談をおこなっている小児科、泌尿器科をお探し下さい。

 まれですが、他の病気の症状として夜尿が見られることがありますので、以下の症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
 ・ 治っていたおねしょが再び始まった。
 ・ 昼間の尿失禁や便の失禁もある。
 ・ 昼夜問わず、水分を飲みすぎ排尿回数も多い。
 ・ 日中、意識がボーッとしたり、けいれんが疑われるエピソードがある。
 ・ 睡眠時、いびきがひどく何回も呼吸を止める。


 残念ながら、医療機関への受診率は25%程度しかなく、小学校高学年になっても50%程度です。受診していない理由の多くは「そのうち治ると思っている」で、受診しても「すぐに治らない」という理由で、通院を中断してしまう保護者も半分以上もいます。治るまでには、一般的に考えられているより長い時間がかかることをご理解下さい。

 次回は、夜尿症への指導、治療についてお話します。
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