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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  37

子どもの花粉症

 花粉症とはある特定の花粉が鼻から吸い込まれたり、目に入ったりして起こるアレルギー症状です。1970年以降急激に増加し2008年度の調査では国民の16%(20~50歳では25%)にスギ花粉症があることが分かりました。これは、戦後スギやヒノキが大量に植樹されたこと、さらに大気汚染の影響も加わったことが原因と考えられています。
 今年も2月上旬からスギ花粉が飛散し、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血で苦しむ人が増えてきました。最近は、花粉症と思われる症状で受診する子どもも増えています。






 子どもの花粉症の頻度 

 以前は子どもの花粉症はないと言われていましたが、ここ数年で増加傾向にあると報告されています。花粉シーズンを2回経験するとかかる可能性があると言われていますので、早いと1~2歳で診断されている子どももいます。3歳での花粉症患者はめずらしくなく5%を越え、学童期以降になるとぐっと患者数が増える傾向にあります。

 原因 

 花粉という抗原に何年も接触しているとある特定の人(主に遺伝的にアレルギー素因を持っている人)では、体内に花粉に対するIgE抗体という特殊なタンパク質が作られます。以降は、花粉が侵入してくるたびにIgE抗体と結合して抗原抗体反応が生じ、鼻や目に炎症が起きます。
 花粉症の原因は、季節により約60種類の植物が知られています。代表的な花粉の飛散時期はスギが2~4月、ヒノキが3~5月、イネ科(カモガヤ、ハルガヤなど)が5~7月、キク科(ブタクサ、ヨモギなど)が9~11月です。

 症状 

 花粉は風に乗って広範囲に飛散し、特に暖かく、風がある日は空気中に多く浮遊しています。その花粉が鼻、のど、目の粘膜に付着すると、連続性のくしゃみ、鼻汁、鼻づまり、のどのかゆみ、咳、目のかゆみ・充血、流涙が現れます。
 粒子が小さな花粉が細い気管支まで到達すると、気管支喘息を併発することもあります。これらの症状は寝不足、集中力の欠如などにもつながりますので、疑わしければ医療機関を受診して対策を考えてあげましょう。

 診断 

 飛散時期に一致して上記症状があれば花粉症が疑われますので、血液検査でアレルギー反応を起こす花粉に対してのIgE抗体の有無を検査します。ただし、今年初めて疑わしい症状が出た場合に限っては、まだ抗体量が少ないかもしれないので、花粉飛沫時期が終わってから検査するように話しています。

 治療 

 自然治癒はめずらしく、長年付き合わなければならない病気です。減感作療法が唯一の根本的治療ですが、時間と手間がかかることからこの治療を選択される患者様はきわめて少ないです。ほとんどは、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬を内服、点鼻、点眼する対症療法がおこなわれています。

① 減感作療法
 花粉成分を定期的に腕に注射しながら体質を改善して行く方法です。花粉症に対しての唯一の根本的治療で、子どもの花粉症患者の約75%に効果が見られるそうです。ただし、頻回に通院し、毎回子どもが嫌がる注射を受け、効果出現まで何年もかかることもあり、実用的ではありません。現在研究されている、花粉成分の舌下錠による減感作療法の効果と安全性が確認されれば、定期的に口の中に入れるだけなので、子どもの花粉症に積極的に勧めたいと思っています。

② 薬物療法
 花粉が飛散する前から抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を内服しておくと、かなり症状が軽くなります。症状に応じて数十種類の薬から選択しますが、最近は眠気が少ない薬もありますので、かかりつけ医とよく相談してください。
 鼻づまりが強い子どもには点鼻薬、目のかゆみの強い子どもには点眼薬を併用します。

③ レーザー手術
 鼻閉が強い花粉症患者の鼻粘膜表面をレーザー焼却するものです。1~2シーズンは効果がありますが、永続するものではありません。また簡易手術なので、中学生以上にならないと耳鼻科の先生もやらないようです。

 飛散時期の予防 

  暖かく、風が強い日の外出は控えましょう。
  外出時にはマスクはメガネを着用した方が良いでしょう。
  外出後は、服に付着した花粉をよく落としてから家の中に入り、すぐに着替えましょう。
  洗濯物は外に干さないほうが良いのですが、干した場合は花粉を良く落としてから
    取り込んでください。
  シーズン中はなるべく窓を閉め、こまめに掃除機をかけるようにしてください。
    空気清浄機の利用も効果的です。
  花粉が飛散する1~2週前から予防薬を使いましょう。
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