fc2ブログ

虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  28

ヒブ(Hib)ワクチン

 ヒブ(Hib)って何? 

 インフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b)という細菌です。昔、インフルエンザウイルスと間違われていたため、こんなまぎらわしい名前になってしまいましたが、頭文字をとってHib=ヒブという名前で覚えてください。


 ヒブの恐ろしさ 

 ヒブは、健康な乳幼児でも10%前後に鼻の奥に潜んでいるめずらしくない細菌です。生後3ヶ月を過ぎると急速にヒブ感染症が増加します。特に恐ろしいのが、髄膜炎、喉頭蓋炎、敗血症といった重症感染症です。さらに、最近はヒブの70~80%が抗生物質の効きにくい耐性菌に変化してきています。

   髄膜炎

 髄膜は大事な脳や背骨の中を通っている脊髄をおおっている膜です。その中に細菌が入り込んで 炎症を起こすのが細菌性髄膜炎です。約5%の方が亡くなり、25%の方が後遺症を残す可能性の ある非常に危険な病気です。早期発見、治療がとても大切ですが、初期症状が発熱や嘔吐だけだと、かぜや胃腸炎と間違えられてしまうこともあるのです。
 日本では、年間約1,000人の乳幼児がかかっており、その2/3の原因菌がHibです。

   喉頭蓋炎

 気管の入口が急速に腫れあがり、呼吸ができなくなることもあります。

   敗血症

 血液の中で菌が増えて、全身の臓器を侵します。

ただし、3歳すぎるとほとんどの子どもが、ヒブに対して自然に抗体を持つようになり、5歳過ぎるとヒブ感染症はほとんどなくなります


 世界のヒブワクチン接種状況 

 1990年代に欧米を中心に導入され、1998年WHO(世界保健機構)はすべての赤ちゃんにヒブワクチン接種を推奨する声明を出しました。現在は100カ国以上でヒブワクチンが導入され、定期接種している国ではHib髄膜炎が100分の1まで減少し過去の病気となりました。

 
 日本におけるヒブワクチン 

 東アジアで導入されていないのは、北朝鮮と日本だけでしたが、やっとのことで2007年に承認にこぎつけ、2008年夏に発売されることになりました。インフルエンザ菌b型の抗原タンパクに免疫がつきやすくなるような工夫をした不活化ワクチンです。三種混合ワクチンと同時に接種を受けることが出来ます。副反応については、全身性のものはまれで、接種部位の腫れや発赤も三種混合ワクチンと同等かそれ以下です。
 残念ながら、まだ定期接種ではないので患者様の費用負担がかかります。出来るだけ早く無料の定期接種になることが望ましいのですが、まずは各自治体が補助金を出してくれることを期待したいところです。
 乳幼児のヒブによる重症感染症をほぼ確実に防ぐことが出来るヒブワクチンは、是非とも接種すべきワクチンと考えます。


 接種スケジュール 

 生後2ヶ月から接種が出来ます。Hib感染症がほとんどなくなる5歳以上は不要とされています。

 ① 初回接種が生後7ヶ月未満の乳児(基本接種)
  4~8週間間隔で3回接種後、1年後追加接種の計4回
  三種混合と同時に接種できますので、この方法が便利です。
  (ただし、ワクチンは混ぜられないので2ヶ所に接種します)

 ② 初回接種が7~12ヶ月の乳児 
  4~8週間間隔で2回接種後、1年後追加接種の計3回

 ③ 初回接種が1~5歳の幼児
  1回接種
 
スポンサーサイト




別窓 | 未分類 | トラックバック:0
∧top | under∨

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| 虹診療所 |