fc2ブログ

虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  27

熱性けいれん

 けいれんとはどういうものか、こどものけいれんの原因、けいれん時の対応については、前回(2008年4月号)の“こどものけいれん”でお話しましたので是非参考にしてください。今回は、こどものけいれんの約8割を占める熱性けいれんについてお話します。






 熱性けいれんとは 

 生後6ヶ月~5歳くらいまでのこどもの7~8%が、熱性けいれんを経験します。初めて熱性けいれんを経験する年齢のピークは1歳で、突発性発疹の発熱時に初回熱性けいれんを経験するこどもが多いです。急激な発熱時(発熱疾患の初日に集中)に、眼球が上方を向いて白目になり、全身がピクピクしたり、つっぱたりします。呼びかけても反応はなく、手足の先や口唇の色が紫色になったりします。多くが5分以内に止まり、意識障害や麻痺を残さず、そのまま眠ってしまいます。
 熱性けいれん患児の2/3は生涯を通じて1回しか起こさず、1/3が2回以上繰り返します。初発年齢が1歳以下、両親どちらかに熱性けいれんの既往がある場合、反復するリスクが高いようです。いずれにせよ、後遺症を残すことはほとんどありません。
 (ちなみに、私も高熱を出すたびに何度もけいれんを起こしたそうです。)


 けいれん時対応 

 詳細は2008年4月号を参照してください。一番大切なのは、慌てないことです
 けいれんが5~10分以内で止まり、(しばらくはボーッとしますが)意識が戻り、両手両足をしかっりと動かすことが確認できれば、緊急受診の必要はありませんので、かかりつけ医の診療時間の受診でかまいません。
 以下の場合は脳炎、髄膜炎、けいれんが長引くことによる脳の腫れが心配されるので、すぐに医療機関を受診しましょう。
 ① けいれんが10分以上しても止まらない。
 ② 意識の戻りが悪い。
 ③ 手足の動きが悪い(マヒ)。
 ④ 24時間以内に再度けいれんを繰り返した。



 脳波検査などが必要な熱性けいれん
 
 熱性けいれん患児の中にけいれんを起こしやすい“てんかん”が隠れていることがあります。以下の状況は、かかりつけ医から脳波検査などが勧められると思います。
 * すぐに受診が必要な熱性けいれん症状(上記①~④)があった。
 * もともと神経学的異常や発達の遅れがある。
 * 6ヶ月未満または6歳以上の熱性けいれん。
 * 体の一部分もしくは左右差のあるけいれん。
 * 微熱(37℃台)での熱性けいれん。



 予防は? 

 けいれん防止用坐薬(ダイアップ)があります。一種の鎮静剤で、適量を肛門から挿入すると30分以内にけいれんを起こしにくくします。熱性けいれんは発熱初日に集中しますので、38℃を越えたら8時間あけて2回挿入すると24~30時間くらいのけいれん予防効果が期待できます。一方、この薬でふらつきや眠気、時にゼロゼロしたり興奮することもありますので、使用後は1~2日くらいは十分注意して観察が必要です。
 この坐薬を熱性けいれんの予防で使用している頻度は、世界中で日本が一番です。欧米では、熱性けいれんは後遺症を残すこともないので、良く観察するだけで予防する必要はないと考えられています。わが子のけいれんを見たくないという心情も良くわかりますので、使用の是非については答えがありません。
 私は、2回以上熱性けいれんを起こしている子どもには、ダイアップ坐薬の予防法を提示しています。使いすぎは副作用が強く出ますので、あくまでも発熱初日だけの予防と割り切るように伝えています。また、2年以上熱性けいれんがなかったり、6歳になったこどもには予防をやめていくように話しています。
 解熱剤はけいれんの予防にはなりません。
スポンサーサイト




別窓 | 未分類 | トラックバック:0
∧top | under∨

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| 虹診療所 |