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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  21

百日咳に要注意

 近年、百日咳患者の報告数が増加しています。この原因は、最近の欧米での調査結果から、思春期以降の大人の百日咳が注目されるようになったためです。2週間以上続く咳で呼吸器専門病院を受診する大人の20~30%に百日咳感染の疑いがあるそうです。思春期以降の麻疹流行と同様、ワクチンの効果が十数年しか続かないことが、大人の百日咳患者の増加原因と考えられています。
 三種混合ワクチン(DPT)を接種していない子どもの百日咳は、特有な咳と検査結果から診断は比較的簡単ですが、大人の百日咳は特有な咳もなく、気が付かれないまま乳幼児への感染源となっている可能性が高いことがわかってきました。今回は、乳幼児を百日咳から守るために、ご家族に知っておいて欲しいことをお話します。







百日咳とは

 名前の通り、激しい咳が長引く病気です。乳幼児とくに生後6ヶ月未満の乳児がかかると、肺炎や脳症などの合併症も多く死亡する危険もある病気です。


 症状

潜伏期間は通常5~14日で、症状の経過は3期に分けられます。

①カタル期(1~2週間)
 鼻汁、くしゃみ、咳といった普通のカゼ症状だけです。

②痙咳期(3~6週間)
 乾いた短い咳が息を吸う間もないくらい(コンコンコン……………)連続します。やっと咳が止まる時に、大きく息を吸い『ヒュー』という特有な音が聞かれます。この様な咳発作1回は、400m走くらいのカロリーに値し、特に夜間多く出現してきます。咳き込みによる嘔吐、顔面紅潮、チアノーゼ(口唇紫色)、顔面のむくみ、眼球結膜充血なども見られます。
 生後6ヶ月未満の乳児では、上記のような特徴的な咳は少なく、息を止める無呼吸発作→チアノーゼ→けいれん→呼吸停止と進展することもまれにあります。

③回復期(2~3週間)
 咳込み発作は徐々に見られなくなり、軽快します。


 診断

 特有な咳、血液検査で白血球数増加(リンパ球増加)があれば疑いは強くなります。さらに血液中の百日咳抗体の上昇、鼻咽頭を拭っての細菌培養検査や病原遺伝子検査(PCR)で診断を確定します。


 予防

 三種混合ワクチン(DPT)接種が有効です。日本ではⅠ期3回(3~8週間隔)、Ⅱ期1回(初回接種後12~18ヵ月後)の計4回接種します。生後3ヶ月以降接種可能となりますので、できるだけ早く初回接種を受けましょう。


 治療

 マクロライド系抗菌薬(エリスロシン、クラリシッドなど)の早期内服が有効です。カタル期に内服できれば痙咳期を短縮することができますが、特有な咳発作が出現してからでは効果は少ないです。いずれにしても他の人への感染を防ぐために2週間の内服は必要です。



乳幼児を百日咳から守るには


 三種混合ワクチン未接種の乳児が百日咳に感染すると、症状もひどく、怖い合併症もあるのでとても心配です。冒頭で述べたように、大人の百日咳は特有な咳もなく、血液検査でも白血球増加が見られないことが多いので、気づかれないまま感染源となってしまいます。
 アメリカでは、思春期での大人用の百日咳ワクチンの追加接種、さらには1回/10年の追加接種を勧告しています。残念ながら、日本では百日咳を予防するための大人用ワクチンはまだ認可されていません。

 大人から乳幼児への感染を防ぐ大事な対策は、
①生後3ヶ月になったら、まず三種混合ワクチン(DPT)を接種しましょう。
②乳幼児のいるご家庭では、咳が続いている大人は早めに医療機関を受診しましょう。

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