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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  14

日本脳炎ワクチン接種について(第2報)

 2006年8月号で日本脳炎ワクチン接種について、私の考えをお話しました。この時点では、新ワクチン開発が順調であることを前提で、原則的に“新ワクチンの認可を待って接種”することをお勧めしました。
 しかし最近になって状況が変わってきました。専門家らの情報では、「新ワクチンの認可は少なくとも2~3年以上先になる見込みである」ということです。このまま接種を控えていると日本脳炎患者の増加につながる可能性も出てきましたので、改めて現時点での日本脳炎ワクチン接種をどうするかを考え直してみましょう。






現在までの経緯

 ワクチンの定期予防接種普及により、1990年以降の日本脳炎患者は数人/年(ほとんど老人)しか報告されなくなりました。一方、日本脳炎ワクチンによる副作用として脳炎・脳症患者が数人/年、おおよそ100~150万接種に1回報告されており、2003年には1人の中学生が重症例として報告されました。この報告が引き金となり、2005年5月に厚生労働省は、“日本脳炎ワクチン接種の勧奨差し控え”を通達し、同年7月に14歳以上16歳未満を対象としていた第3期定期予防接種を廃止しました。これにより患者、医療サイドともに1期・2期の定期接種(*)もしばらく見合わせることになりました。
*1期(3歳~7歳6ヶ月):1~4週間隔で2回接種後、約1年後1回追加の計3回
 2期(9歳~13歳):1回接種

 日本脳炎ワクチンによる脳炎・脳症の副作用は、製造過程に微量ながら混入する可能性のあるマウスの脳組織成分が原因ではないかと考えられており、この問題を解決するために、試験管内だけで製造する新ワクチンの開発が進められています。昨年8月号でお話した時には、これが最終段階まで出来上がっており、今年の夏までに認可がおりることを期待していました。しかし、臨床試験の結果、注射部位の発赤が強すぎるため見直しになり、認可まで少なくとも2~3年以上かかる見込みであることが最近わかりました。


 私の意見 

 まだ厚生労働省の見解が出ていませんので、現時点での“日本脳炎ワクチン接種をどうするか”について私の意見をお話します。
 すでに2年間、ワクチン接種が見合わされ、さらに新ワクチンの認可まで数年かかるのであれば、こどもが日本脳炎にかかってしまうのではと危惧するのは当然です。そこで、3歳になってからの1期は従来のワクチンを接種し、9歳からの2期は新ワクチンの認可を待って接種することを勧めていこうと考えています。ただし、東南アジア流行地域へ渡航予定の人は、1期、2期問わず、従来のワクチンを接種すべきであると考えます。
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