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虹診療所

お子さんに多く見られる病気・症状について、家庭でのケア、受診のタイミングなどをできるだけわかりやすくお話しし、お子さんの健康をサポートしていきます。
No  10

マイコプラズマ肺炎

 マイコプラズマ肺炎とは 

 マイコプラズマ肺炎という名前は、聞いたことのある人も多いと思います。それは幼児期以降から青年期における最も多い肺炎だからです。とてもこわい肺炎だと誤解している人も多いですが、発見が遅れても治りますので心配はいりません。今回はこれについてお話します。






 流行

 1980年代、4年おきに流行していたので“オリンピック肺炎”などと呼ばれていましたが、以後は毎年のように見られ、秋から冬にかけて多いようです。


 かかりやすい年齢

 3歳以降からかかりやすくなり、7~8歳のこどもに最も多く見られます。最近は、3歳未満のこどもへの感染も多く確認されるようになりましたが、この年齢で肺炎になることは少ないです。


 感染様式

 感染力が弱いので、感染している人と濃厚に接触(家族、友人など)しないと感染しません。潜伏期間は2~3週間と長いです。


 症状

 発熱、倦怠感、頭痛などから始まり、数日して咳がみられるようになります。乾いた咳が徐々に強くなって3~4週間ほど続きます。後半は痰がらみの湿った咳に変わることが多いです。一般的に重症感はないのですが、咳が長くてしつこいのが特徴です。経過中、ゼイゼイ(約30%)、胸痛(約20%)、発疹(約10%)などが見られることもあります。稀ですが、髄膜炎、脳炎、腎炎、溶血性貧血(顔色不良、赤い尿)などを合併することがあります。

 
 診断

 痰の検査や血液抗体価測定で診断できますが1~2週間かかってしまいます。急性期の迅速診断法(血液検査)もありますが、発症から1週間しても半分が陰性と出てしまうので、私のクリニックでは利用していません。そこで私の外来診療における診断過程をお話します。
激しい咳と高熱が出ている場合、気管支炎や肺炎を疑い、細菌感染を心配してペニシリン系やセフェム系の抗生剤を処方します。これらの抗生剤はマイコプラズマには効かないので、3日以上の内服で解熱しない場合、マイコプラズマ感染の可能性を考慮することにしています。全身状態が悪くなければ、検査もせずマイコプラズマに効果のある抗生剤を処方します。
 もちろん少しでも心配な状況があれば検査をします。血液検査では白血球数正常、CRP(炎症反応)弱~中等度陽性。聴診器で聞いても肺炎の音もしないのに、胸のレントゲンでははっきりした白い影や胸水貯留が見られることもよくあります。
 多くの場合、自宅治療で治りますので、過度の心配はいりません。咳が激しくて睡眠や食事が妨げられている場合、ゼイゼイや胸水貯留で呼吸が苦しい場合は入院をすすめます。


 治療

 マイコプラズマは、通常の細菌と異なり細胞壁を持たないので、ペニシリン系(ワイドシリン、パセトシンなど)、セフェム系(セフゾン、バナン、フロモックス、メイアクトなど)の抗生物質が効きません。効果のあるマクロライド系(エリスロマイシン、クラリシッド、リカマイシン、ジスロマックなど)、テトラサイクリン系(ミノマイシン、ダラシンなど)を使用すると、咳はしばらく残りますが熱は3日以内に下がります。ただし最近マクロライド系抗生剤が効きにくいマイコプラズマが少しずつ増えているようです。


 登校・登園

 咳による体外への病原体排出は約1ヶ月続きますので、明確な登校・登園許可基準はありません。私は、解熱して咳が軽くなり元気になった時点で許可しています。
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